2025/03/11
中西です
2011年3月11日の地震から14年が経ちました。
その時僕は建築の仕事に就く前で、東京で仕事をしている最中に地震が発生しました。
震源地より当然地震は強くないはずですが、その場から立つことも、移動することも出来ず
ただゆれで気持ち悪くなり、吐きそうな状態で地震が収まるのを待つしかなかったことをよく覚えています。
大きい地震が来るとまず動けません
2016年の熊本地震では、建築基準法の耐震基準が1回の大地震が前提だったところへ
震度7の地震が2回以上発生し、建築基準法通り、1回目の地震では倒壊せずなんとか逃げられ、
家に戻った際に2回目の震度7で倒壊して亡くなられた方が多くいらっしゃいます。
この時に耐震等級3の住宅だけが倒壊なしだったので、その後耐震等級3を標準にする
建築会社が増えました。
今年、2025年の4月より建築基準法が大幅に変更となり、
4月以降、新しい耐震基準となります。
今回の新耐震基準は、ものすごく耐震基準が厳しくなって強い家になる!
ということではありません。
今までの耐震基準は、窓は1枚ガラス、断熱材も入っていないか、入っていても薄いものなど家が軽い前提でした。
昨今、窓は2枚か3枚ガラス、断熱材も厚く高性能で重いもの、
太陽光発電も屋根いっぱいに搭載され、住宅の重さがどんどん重くなっています。
簡単に言うと、
家の重さが思い=支える耐震の壁が沢山必要
なので、昔の軽い家のままではなく、現状にあった耐震の壁の量で計算しよう!
ということで、今回の新耐震基準に変更となります。
ですので、新耐震基準だから強くなる!ではなく、
今の断熱化された家は、新耐震基準でないと逆にまずいと言うことです。
繰り返しますが、この状態(新耐震基準)でも大地震の場合に逃げられるだけの
耐力がある性能が前提ですので、大地震の後でも住み続けられる可能性を考えると、
これからも耐震等級3は必須です。
話が新耐震基準にそれましたが、
デザインや間取り、設備。皆様に選んで頂けるために訴えやすいのは
パッと見て分かりやすい要素の方が大きいことやそれも大切だと承知しております。
(※前職はアパレル会社勤務でしたのでデザインやインテリアコーディネート、家具なども大好きです。)
ですが、今は間取りの打合せや、その許容応力度計算を行う建築士として、
まずなによりその住宅が地震が来た時に安心出来ることを第一に家づくりを行いたい
デザインや間取り、設備はそれぞれのご家庭の暮らしに合ったものを打ち合わせる必要がありますが、
耐震の性能に関してはどのご家庭も等しく安心できるものにしたい
と思っています
あまり難しい話をすると耐震性能に優れた家は高い?と思われるかもしれませんが
構造が強い間取りを意識して間取りの打合せが出来ると、逆にコストがかかりません。
力の流れが不明確なギリギリ耐震等級3に制振装置をなんとなくつけました!
ではなく、きちんと許容応力度計算を行い、根拠のある負荷の少ない構造計算された家の方が安いのです
耐震等級3にもピンキリ、許容応力度計算にも色々
ありますが、そちらはまた別の機会に投稿します。
せまい施工エリアで棟数もそこまでこなせませんが、
地域の安心な住まいのためにひきつづき出来ることをひとつ一つずつ進めてまいります
■ 広栄住宅一級建築士事務所
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