2020/03/22
いつもありがとうございます。
中西です
建築業者が購読する、日経ホームビルダーの2020年3月号にも
シロアリの被害状況と対策方法が記載されておりましたので
今回はシロアリについて書いてみます。
シロアリはアリという名前ですが、アリの仲間ではなく、
ゴキブリの仲間で、アリよりも昔から生息しています。
日本では22種類のシロアリがいるようですが、
建築物を加害するシロアリは主にヤマトシロアリとイエシロアリです。
※今回はこの2種類を中心に書いております。
下記は「日本しろあり対策協会」様よりお借りしたそれぞれのシロアリの発生MAPです。
ヤマトシロアリは南から北海道までほとんどの地域に生息しています。
イエシロアリは温暖な地域の特に沿岸部に生息しています
一般にイエシロアリの方が木材を食べていくスピードが早いので被害が大きくなります。
弊社の施工範囲の静岡県(富士市・富士宮市・沼津市)はヤマトシロアリの他、イエシロアリも生息しております。
では、シロアリは普段どこにいるの?
セミナーでも言うと皆さん驚きますが、そこら辺の土の中に普通にいます。
言うだけは簡単なので、かなり前にはなりますが、自宅で実験してみました。
実験方法:家から2m離れた地面に、木(この時は米松材)を刺してしばらく放っておく。
1年くらいすると、かなりグラグラしてきた(おそらくシロアリが食べた)ので木を抜きました。
↓その時の写真です
↓中にはまだシロアリが沢山いて、日光や乾いた空気が苦手なシロアリは大慌てで動き出します。
↓地中に埋まっていない部分も食べられていました
やっぱりどこにでもいました。
シロアリは人間からすると家を食べるので怖いのですが、
昆虫の中ではとても弱く(目も見えない)、黒アリにすぐに食べられてしまいます。
地面に抜いた木材を置くと、ビックリするくらい黒アリがすぐに群がって
シロアリがどんどん運ばれていきます。
↓その画像です
目が見えないので、家を狙ってくるというよりは、地中で物にぶつかると上に行く
習性があるので、その際に入りやすい所から家に侵入するケースが多いです。
1mmの隙間があれば入れます。
シロアリ専門の先生によりますと、
シロアリは群れが生き残ることを選ぶので、
防蟻機能を備えた断熱材も食べた(食べたアリは死んでいきます)ケースもあったり、
薬剤を施した部分はよけて道を作ったり、
鉄骨造の家でも木材部に被害があったり、
色んな被害が確認されており、100%大丈夫ということがありません。
※そこ(100%)に近づきたいとは思っています。
ですが、もちろん100%ではないので、みなさん最終的に出る意見が、
定期的に点検をして目視で早期発見をすることが一番ということです。
僕もそう思っています。
ですので、後から点検して簡単に確認出来る構造仕様、断熱仕様が大切です。
又、薬剤処理をするケースで10年保証する強いものと、
5年保証するものがありますが、保証=被害0ではなく何かあったらの保証なので、
5年ごとにしっかり点検してもらった方がより安心とも考えられます。
家が持つことを考えたら費用対効果としては安いもんです。
※自分で床下点検出来るという方がいればそれでも大丈夫です。
又、実際にシロアリの動きを見ているとやはり
いかにシロアリの居心地の悪い環境を作れるか?も大切な要素です。
近年断熱ブームで手軽に低コストで高断熱をしようと色んな工法がありますが
断熱以外のことも併せて考えないと長持ちする家にはなりません。
特に床下に吹付断熱をして人も入れない、入りにくいという状況だと、
長期優良住宅・維持管理等級の観点からもメンテナンス出来ない、
暖かくて空気が流れないからシロアリの居心地が良い、
シロアリが来ていても全く見えない、発見が遅れる
ということになりますので、注意が必要です。
地域によってベストな方法が違いますので、
お住まいの地域のリスクを考えて構造や断熱の仕様を決定して下さい。
最後に、どんな工法で家をつくっても、雨漏りしていると、
シロアリ被害の原因(木材の腐りの原因も)になりますので、
基本的ではありますが、雨漏りしない家を徹底する事も大事です。
※弊社の業者さんの事例でいうと、雨漏りした部分からのシロアリ被害が多いそうです。
住まい手が出来ることは、家の周辺に不必要に樹木を沢山植えない、
木材やそのほかの物を家にピッタリとくっつけて置かない
など家の周りをスッキリさせておいてください。
もっと細かくは沢山ありますが、
単純に長持ちする快適な家をつくっていきたいと思っています。
では
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